#43 目指せNBA選手!ジャンプ力を上げる3つの秘策とは!? その③

現在、FIBAランキング48位のバスケットボール男子日本代表チームですが、NBAに所属する八村・渡邊選手の加入により東京オリンピック前までにどこまでランキングを上げることができるか楽しみです!

初回は体のバランスについて、前回はプライオメトリクストレーニングに関して、そして今回が ”ジャンプ力を上げる3つの秘策” 最終回となります。最終回はウエイトリフティングとジャンプ力との関係について情報をシェアさせて頂きます。

ウエイトリフィティングって何?

 トレーニングの専門用語には「レジスタンストレーニング」という言葉があり、その中でもマシン・バーベル・ダンベル等の器具を使用するトレーニングの総称を表す際にウエイトトレーニングという言葉が良く使われます。また、スナッチやクリーン&ジャ-クなどのウエイトトレーニングは専門的にはウエイトリフティングと呼ばれており、これらを取り入れることでジャンプ力の向上がみられたという報告が多数あります。そこで、今回はウエイトリフティングとジャンプ力向上との関係を中心に話を進めていきたいと思います。

*レジスタンストレーニング:健康、体力、競 技パフォーマンスの向上を目的に計画された、広範囲の負荷 と様々なトレーニング様式を漸進的に用いる専門的なコン ディショニングの一形態として定義される。

パワーを意識することでジャンプ力向上に繋げる!

アスリー トが高いパワー発揮する為に大きな影響を及ぼす要素は”力”と”スピード”であり、大きな力をより速いスピードで出すことでパワーは最大値に近くなると考えられています。下記の図を確認してみると、最大速度が出ている時には力(フォース)の出力は低く、力の出力が最大となっている時には、速度は遅くなっています。ピークパワー発揮時は、力・速度とも最大値より下がっていることが図よりみることができます。ジャンプ動作においても、”大きな力を発揮する(大きな床反力を受ける)”と同時に”筋の高い収縮速度”とのバランスを意識する”ことでパワー発揮を最大値に近づける必要があります。

 力-速度、力-パワー、速度-パワーと至適負荷との関係 Newton&Kraemer(58)より。

ウエイトリフティングでパワーを意識する!

ウエイトリフティング競技では、高重量を挙げるだけではなく、バーベルの下に潜り込むというキャッチ動作も必要となります。バーベルを持ちあげる速度が遅い場合には、バーベルが宙に浮いている時間が短くなり(潜り込みの為の時間が短くなる)、キャッチ動作が困難となります。日頃から挙上重量と挙上速度との両方を意識して練習しなければならないのがウエイトリフティングの特徴でもあり、それが結果として大きなパワー発揮にも繋がります。

ウエイトリフティングでジャンプ力アップ!!

一般的にウエイトリフティングを取り入れることで、ジャンプ力が向上することは知られており、国立スポーツ科学センター / 形態・体力測定データ集の中でも、”男子シニア・垂直飛び(腕振込あり)跳躍高[cm]”の数値はウエイトリフティング競技の選手が陸上短距離選手に次いで高いことが記されています。

また、各トレーニング方法と垂直飛びの数値を比較したレビュー論文には以下のようなものもあります。

 ①ウエイトリフティングトレーニング(以下WLT)を実施した群と何もトレーニングを行わなかった(コントロール群)との比較

 ②WLTを実施した群と通常レジスタンストレーニング(以下RT群)を実施した群

 ③WLT群とプライオメトリクストレーニング(PT群)を実施した群との比較

結果

 ①WLT群はコントロール群に比べ、垂直飛びが7.7%上昇

 ②WLT群はRT群に比べ5.1%上昇

 ③WLT群とPT群の差はなし

上記のデータをみても、プライオメトリクストレーニングを取り入れている陸上競技選手やウエイトリフティングを実施しているウエイトリフティング競技選手の垂直飛びの数値がなぜ高いのか納得することができます。

まとめ

過去、3回にわたりジャンプ力を向上させれる為の秘策についてご紹介させて頂きました。あなたのジャンプ力を高める為に今必要なことを整理し、課題を解決する為に3つの秘策をご活用いただければ幸いです(^^)/。

P.S.

当法人 Youtubeサイトにて、ウエイトリフティングの動画を紹介しているのでご興味のある方は参考にしてみて下さいね!!

スナッチ https://youtu.be/0CXGNHdhfU8

クリーン https://youtu.be/G_Xpg7NPrNo

参考文献

Faigenbaum, Avery D 1; Kraemer, William J 2; Blimkie, Cameron J R 3; Jeff reys, Ian 4; Micheli, Lyle J 5; Nitka, Mike 6; Rowland, Thomas W 7 : Youth Resistance Training: Updated Position Statement Paper From the National Strength and Conditioning Association

Daniel Hackett, Tim Davies, Najeebullah Soomro, Mark Halaki:Olympic weightlifting training improves vertical jump height in sportspeople: a systematic review with meta-analysis. BJSM 10.1136. 2015.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください