#48 トップのラグビー選手、ジュニア時代はこうだった !!6つのポイント 最終回

ワールドカップラグビーの決勝から2週間経ったにもかかわらず関わらず、その余韻を楽しむかのように多くのメディアに各選手が出演している姿を見かけます。先日、某局で放送されていた番組にプロップの稲垣選手が出演していたのですが、収録中全く笑わず、しまいには周りの出演者から笑い方を指導されていたのが非常に印象的でした(^-^)。その他にもうどんを1度に2kgたいらげた話や小学生時代に体育館の床に穴をあけてしまった話など稲垣選手のことがますます気になってきた今日この頃です。そんなトップの選手がジュニア期にどう過ごしていたのか気になりますよね? 今回も前回に引き続きラグビーのジュニア選手に関しての情報をシェアさせて頂きますね。

⑤トップで成功するカギはジュニア期の持久系能力にあり。

一般的に競技レベルが上がるにつれて、持久系の能力は高くなることが分かっており、バックスの選手がフォワードの選手に比べ高い傾向にあります。VO2max(ml/kg/min)という持久系の能力を評価する数値をみてみると、ジュニア期におけるトレーニング効果は、18歳の選手よりも15歳の選手の方が高かったというデータもあるようです。(トレーニング期間10-14週間)

将来プロ選手になった選手とそうでない選手が13~15歳当時どうだったのかを調べてみると、VO2max(ml/kg/min)は49.8±4.6 vs 47.6±5.6とプロ選手になった選手の方がそうでない選手に比べて高かったようです。

その他にも持久力に関して下記の情報があったのでシェアさせて頂きます。
エリート選手 vs それ以外の選手: マルチステージフィットネステスト(15歳期)
10.6±0.5 vs 8.0±0.6

持久系の能力は、激しい運動を繰り返したり、トーナメント中のリカバリーを早めるという点でも重要な役割を果たす為、ジュニア期からその能力をしっかりと養っておくことは将来トップレベルで成功する為に重要なポイントとなりそうです。

指導者の方々は持久系の能力が年齢やポジションにより変化し、それが将来のキャリアに影響することも抑えておく必要があります。ラグビーはコンタクト競技という特性上ケガのリスクも高い為、持久系能力を養う際には、ローイングや自転車エルゴメーターを積極的に利用することをおススメします。

⑥ジュニア期の筋力はどれくらい?

 16~17歳頃に筋力が大きく伸びているというデータがあり、それは体の成熟と共に筋力トレーニングの介入が影響しているではないかという推測があります。

プロ選手のジュニア期の筋力を振り返ってみると、1回挙上(1RM)できる重さはスクワット:134.3±12.8(17歳時)/ベンチプレス:115.4±15.4(18歳時)/プローンロウ:107.4+10.8(19歳時)というデータがあります。

筋力は、スピードやパワーとの関連があり下肢の筋力強化がタックルやボール運びの能力を引き上げることと、筋力を向上させることは走力やコンタクト能力の向上、筋疲労の軽減などにも繋がります。

フォワード選手はバックス選手に比べて大きな力を生みだす必要がありますが、挙上重量を体重比でみると大差がないことが分かっています。(例えば、体重100kgのフォワード選手が200kgのスクワットを実施した場合と体重70kgのバックスの選手が140kgのスクワットを実施した場合、挙上した重量の絶対値は異なれど、挙上した重さを体重で除すると、それぞれ体重の2倍と等しくなります。) その他、バックスはフォワードの選手に比べて、カウンタームーブメントジャンプ(反動を用いたジャンプ)とスプリント能力が高く、この点に関しては、バックスの選手がフォワードの選手に比べて体重や体脂肪率が低いことが影響していると考えられます。

筋力は年齢と共に増加し、しかるべきタイミングでレジスタンストレーニングを導入することで向上し、レベルやポジションによって特性が異なることも抑えておく必要があるでしょう。

アンダー18歳カテゴリーに比べアンダー15歳のカテゴリーにおいて、下肢のパワーの伸び率が高いことがわかってはいるものの、伸び率が高いからといって負荷をどんどんかけても良いということにはならないので、選手の成長度合いを見ながらコーチがしっかりとコントロールしてあげる必要があります。

まとめ

今回で、ラグビー選手のジュニア期の特徴に関しての情報は最終回となりますがいかがだったでしょうか? ジュニア期を指導する監督・コーチの方々が、各年代における成熟度や体力レベルを把握しておくことで、選手の可能性を最大限に引き出してあげられるのではないでしょうか。

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