#54 テニスのサーブが速くなる秘策は回転と〇〇の前方への移動!

今回のテーマのヒントになる論文はこちら↓

“Professional tennis players’ serve: correlation between segmental angular momentums and ball velocity” 

タイトルをそのまま、訳してみると、”プロテニス選手のサーブ時の体の各部位における角運動量とボール速度との関係について。” となります。なにやら、難しいタイトルですね(;’∀’)。

現代のテニス競技は男女問わずサーブ時のスピードがより重要視されています。勝つための秘訣はサーブのスピードにあり!! ということで、今回はサーブのスピードをアップさせるためのヒントについてご紹介させて頂きます。

 

さっそく、今回の内容をまとめてみると、

テニスのサーブが速くなる秘訣は、体の回転動作【回旋】& 体幹の押し出し【側屈】を大きく素早く行うこと!

体の回転動作【回旋】①体幹➾②上半身➾③腕➾④ラケットへと体の連動【順番】を抑える。

特に、肘が最大限に曲がったポジション (MEF) からボールインパクト (BI) までの”体の各部位の回転動作”と、インパクト(BI)時に力発揮を高める”体幹の前方への移動【側屈】”が重要なポイントとなります。

MEF, BI に関しては下記の図を参照。

また、押し出し【体幹を前方に倒す】をうまく行う為には、ボールを真上ではなく斜め上方向へ投げるのもサーブ速度を上げる為のテクニックの一つと考えられます。

その他にも、インパクト前の肘伸びきるスピード、肩関節の内旋動作、手首使い方などもサーブの球速に影響しているようなのでそちらに関しては、また別の機会にご紹介できたらと思います。

以下は、今回の論文の詳細となりますが、、

如何せん、バイオメカニクスは専門でない為 うまくまとめることができず(;’∀’)。

とりあえず、まとめてみたのでご興味のある方は参考程度に確認してみて下さい💦

 

〇対象選手

プロテニス選手 10名 【年齢25.1±5, 身長187cm±6cm, 体重79.4kg±7.4kg】シングルス ATP  ランキング 【 17th, 88th, 118th, 147th, 287th, 522nd, and 921st】  ダブルス ATP ランキング 【35th, 48th,and 210th】

〇測定方法

フラットサーブをターゲットエリア【1.5m×1.5m】に打ち込んだ際の”体の各部位の角運動量”と”サーブの球速”との関係を測定。

サーブの動きを5つのポジションに分類。

BT: ボールトス(ball toss)

MEF: 肘が最大に曲がったポジション(maximal elbow flexion)

RLP: ラケットが最大に下がったポジション (racket lowest point)

MER: 肩が最大に外旋したポジション (maximal shoulder external rotation)

BI: ボールインパクト(ball impact).

〇結果

  1. ①肘が大きく曲がる (MEF) ②ラケットが下がっている (RLP) ③肘が外旋している (MER) ポジションにおいて、体幹のx軸における角運動量がサーブの速度に大きく関わっている。
  2. ②ラケットがさがっている (RLP) ③肘が外旋している (MER) ポジションにおいて、上半身のx軸における角運動量がサーブ速度に大きく関わっている。
  3. ③肘が外旋している (MER) ④ボールインパクト (BI) のポジションにおいて、腕のx軸における角運動量がサーブ速度に大きく関わっている。
  4. ①肘が大きく曲がる (MEF) ④ボールインパクト (BI)のポジションにおいて、体幹をy軸における角運動量がサーブ速度に大きく関わっている。
  5. その他、省略。

まとめ

 ①”体の各部位”と”サーブ速度”とのポジションごとにおける相関関係の変化、②体の中心【体幹】から末端【手首やラケット】への力の連動、③体幹の前方移動など、今後のトレーニング指導のヒントになりそうです。

P.S.

バイメカは基礎知識がないと難しい。。今後は、色々な先生方にも情報配信をお願いしてみよう!と改めて感じさせられた今日この頃です。

参考文献

Caroline Martin a, Richard Kulpa a, Paul Delamarche a& Benoit, Bideau. Professional tennis players’ serve: correlation between segmental angular momentums and ball velocity. Sports Biomechanics, iFirst article, 1–13, 2013.