#48 トップのラグビー選手、ジュニア時代はこうだった !!6つのポイント 最終回

ワールドカップラグビーの決勝から2週間経ったにもかかわらず関わらず、その余韻を楽しむかのように多くのメディアに各選手が出演している姿を見かけます。先日、某局で放送されていた番組にプロップの稲垣選手が出演していたのですが、収録中全く笑わず、しまいには周りの出演者から笑い方を指導されていたのが非常に印象的でした(^-^)。その他にもうどんを1度に2kgたいらげた話や小学生時代に体育館の床に穴をあけてしまった話など稲垣選手のことがますます気になってきた今日この頃です。そんなトップの選手がジュニア期にどう過ごしていたのか気になりますよね? 今回も前回に引き続きラグビーのジュニア選手に関しての情報をシェアさせて頂きますね。

⑤トップで成功するカギはジュニア期の持久系能力にあり。

一般的に競技レベルが上がるにつれて、持久系の能力は高くなることが分かっており、バックスの選手がフォワードの選手に比べ高い傾向にあります。VO2max(ml/kg/min)という持久系の能力を評価する数値をみてみると、ジュニア期におけるトレーニング効果は、18歳の選手よりも15歳の選手の方が高かったというデータもあるようです。(トレーニング期間10-14週間)

将来プロ選手になった選手とそうでない選手が13~15歳当時どうだったのかを調べてみると、VO2max(ml/kg/min)は49.8±4.6 vs 47.6±5.6とプロ選手になった選手の方がそうでない選手に比べて高かったようです。

その他にも持久力に関して下記の情報があったのでシェアさせて頂きます。
エリート選手 vs それ以外の選手: マルチステージフィットネステスト(15歳期)
10.6±0.5 vs 8.0±0.6

持久系の能力は、激しい運動を繰り返したり、トーナメント中のリカバリーを早めるという点でも重要な役割を果たす為、ジュニア期からその能力をしっかりと養っておくことは将来トップレベルで成功する為に重要なポイントとなりそうです。

指導者の方々は持久系の能力が年齢やポジションにより変化し、それが将来のキャリアに影響することも抑えておく必要があります。ラグビーはコンタクト競技という特性上ケガのリスクも高い為、持久系能力を養う際には、ローイングや自転車エルゴメーターを積極的に利用することをおススメします。

⑥ジュニア期の筋力はどれくらい?

 16~17歳頃に筋力が大きく伸びているというデータがあり、それは体の成熟と共に筋力トレーニングの介入が影響しているではないかという推測があります。

プロ選手のジュニア期の筋力を振り返ってみると、1回挙上(1RM)できる重さはスクワット:134.3±12.8(17歳時)/ベンチプレス:115.4±15.4(18歳時)/プローンロウ:107.4+10.8(19歳時)というデータがあります。

筋力は、スピードやパワーとの関連があり下肢の筋力強化がタックルやボール運びの能力を引き上げることと、筋力を向上させることは走力やコンタクト能力の向上、筋疲労の軽減などにも繋がります。

フォワード選手はバックス選手に比べて大きな力を生みだす必要がありますが、挙上重量を体重比でみると大差がないことが分かっています。(例えば、体重100kgのフォワード選手が200kgのスクワットを実施した場合と体重70kgのバックスの選手が140kgのスクワットを実施した場合、挙上した重量の絶対値は異なれど、挙上した重さを体重で除すると、それぞれ体重の2倍と等しくなります。) その他、バックスはフォワードの選手に比べて、カウンタームーブメントジャンプ(反動を用いたジャンプ)とスプリント能力が高く、この点に関しては、バックスの選手がフォワードの選手に比べて体重や体脂肪率が低いことが影響していると考えられます。

筋力は年齢と共に増加し、しかるべきタイミングでレジスタンストレーニングを導入することで向上し、レベルやポジションによって特性が異なることも抑えておく必要があるでしょう。

アンダー18歳カテゴリーに比べアンダー15歳のカテゴリーにおいて、下肢のパワーの伸び率が高いことがわかってはいるものの、伸び率が高いからといって負荷をどんどんかけても良いということにはならないので、選手の成長度合いを見ながらコーチがしっかりとコントロールしてあげる必要があります。

まとめ

今回で、ラグビー選手のジュニア期の特徴に関しての情報は最終回となりますがいかがだったでしょうか? ジュニア期を指導する監督・コーチの方々が、各年代における成熟度や体力レベルを把握しておくことで、選手の可能性を最大限に引き出してあげられるのではないでしょうか。

#47 トップのラグビー選手、ジュニア時代はこうだった !!6つのポイント その②

 ワールドカップラグビーは、南アフリカの勝利で幕を閉じました!日本がもし南アフリカと対戦していなければ、、なんて思ったファンの方も多かったのではないでしょうか? 改めてこれからの日本代表の活躍が楽しみになってきましたね!4年後が待ちきれません!! 今回は前回に続き、ワールドカップ熱でジュニアの競技人口が増えてきたであろうタイミングで指導者の方々にシェアさせて頂きたい内容をご紹介させて頂きます。

③スピードは13-15歳の間に伸び率が高くなる!

 スピードに関しては、エリート選手がその他の選手に比べて速く、全体的にはバックスの選手がフォワードの選手に比べて速いことが分かっています。年代別に比べてみると13歳と15歳のカテゴリーにおいて伸び率が高く、これは身長の伸び率や成長のタイミングがストライド長やピッチの向上に関係することが影響していると考えられます。60m走では、晩熟の選手が13-15歳の間に数値が向上し、16歳以上のカテゴリーでは、スピードトレーニングのトレーナビリティが低くなることもわかっています。これは身長の伸びが落ち着いた後に体重が増えてくるという成長要因が関係していると考えられます。このことから、16歳以上の選手は身長や体重などのコンディションをモニタリングしておくことは非常に重要だと考えられます。ある程度、年齢が低い時期には体重とスピードの両方を伸ばすことができるが、成長と共に体重が増えていく過程でいかにスピードを維持できるのかがシニアで活躍する為のポイントとなりそうです。

④方向転換能力は特異的な刺激が重要!

 ポジション別では、バックスとフォワード間において方向転換能力に関しては大差はなく(プロップを除く)、スピード同様年齢(特に13~15歳カテゴリーの伸び率が高い)と共に伸びることが分かっています。エリート選手とそれ以外の選手の5-0-5アジリティテストの数値を比較したデータもある為、ご参考頂けたらと思います。(エリートvs サブエリート 2.38±0.08秒 vs 2.68±0.08秒)プロップは、他のポジションに比べて方向転換能力が低いこともあり、キャリアが短くてもポジションに必要な能力が備わっていることでトップレベルで活躍できるチャンスは高い傾向にあるようです。(遅い時期でも他競技からタレント発掘が出来そうですね)方向転換能力はトップリーグで活躍する為に必要不可欠な能力となることから、ジュニア期はシンプルな方向転換能力以外にも競技特異的な刺激を含んだ方向転換能力を獲得しておくことが重要だと言えそうです。

まとめ

 スピードや方向転換能力(加速・減速を含む)は、大きく伸びる時期がある程度決まっているようなので、その時期までに如何に多くのスキルを身に着けることができるかがトップで成功する為のカギとなりそうです。成長と共に、パフォーマンスの伸び率に変化が起こるということを指導者が理解しておくことは、ジュニア期を指導する上で、戦術やスキル指導同様重要なことかもしれませんね。

P.S.

次回は、ジュニア期の筋トレや有酸素運動に関してご紹介させて頂きます(^-^)。

参考文献 Kevin Till,Sean Scanthebury, Ben Jones. Anthropometric and Physical Qualities of Elite Male Youth Rugby League Players. Sports Med 47:2171-2186. 2017.

#34 大坂なおみ選手の強さの秘密は強い1stサービス??

大坂なおみ選手の昨年からの躍進は目覚ましく、今年の1月にはついに女子テニス協会(Women’s Tennis Association: WTA)のランキング1位に立ちました。

大坂選手と言えばインタビューでの「なおみ節」もチャーミングですが、最大の魅力は試合での強烈なサービスではないでしょうか??

そこで今回は、WTAランキングトップ100の女子テニス選手のサービスの傾向を検討した村田(2018)の概要をご紹介します。

 

サービスに関するスタッツ

女子テニス協会(Women’s Tennis Association: WTA)ランキング100位内の選手を対象に、公式ホームページから下記のスタッツを取得しました。

・サービスエース数(エース数)

・ダブルフォルト数

サービス時の総ポイント取得率(総ポイント取得率)

・1stサービスが入った確率(1st成功率)

・1stサービスが入った際のポイント取得率(1st取得率)

・2ndサービスが入った際のポイント取得率(2nd取得率)

 

また、取得したスタッツから下記のスタッツを算出しました。

・1stサービスでポイントを取得した確率 = 1st成功率 × 1st取得率

・2ndサービスでポイントを取得した確率 = (1-1st成功率) × 2nd取得率

尚、1stサービスでのポイント取得率と2ndサービスでのポイント取得率の和が、上述の総ポイント取得率となります。

 

ランキングとキープ率の関係

ランキングが高い選手ほどキープ率が高く、トップ20の選手では70%程度、100位付近の選手では60%程度でした。

 

総ポイント取得率と1st/2ndサービスでのポイント取得率の関係

サービス時の総ポイント取得率が高い選手は、どちらのサービスでも高い確率でポイントを取得しており、特に1stサービスでのポイント取得率が高いことが分かりました。

 

総ポイント取得率と1st/2ndサービスが入った際のポイント取得率の関係

サービス時の総ポイント取得率が高い選手は、どちらのサービスが入っても高い確率でポイントを取得していましたが、1stサービスが入った際のポイント取得率が特に高いことが明らかになりました。

女子選手の場合、1stサービスが入った際のポイント取得率は60%程度、2ndサービスが入った際のポイント取得率は40~55%程度と報告されていますが、この研究の取得率も同様でした。

尚、男子選手の場合、1stサービスが入った際は70~80%程度、2ndサービスが入った際は40~60%程度の確率でポイントを取得することが報告されています。

 

総ポイント取得率と1stサービスの成功率の関係

1stサービスの成功率は50~70%程度でしたが、サービス時の総ポイント取得率とは関係がないことが分かりました。

上図のように2ndサービスが入った際には40~50%の確率でポイントを取得できることから、1stサービスが入らなくても総ポイント数には影響しなかったようです。

 

ダブルフォルト数とキープ率の関係

1試合あたりのダブルフォルト数は、キープ率にほとんど影響しないことが分かりました。

よって、ダブルフォルトを犯すことよりも、ダブルフォルトを恐れて1stサービスの成功率を低下させたり、弱いサービスを打って1st/2ndサービスが入った際のポイント取得率を低下させたりする方がキープ率を低下させると考えられます。

 

エース数とキープ率の関係

1試合あたりのエース数が多い選手ほどキープ率が高いことが分かりました。

ただし、ほとんどの選手のエース数が6本以下でした。

ストレートで勝った場合のサービスゲームは6回ですから、女子選手が各ゲームで1本以上のエースを取る確率はかなり低いようです。

 

エース数と1st/2ndサービスが入った際のポイント取得率の関係

1試合あたりのエース数が多い選手は、1stサービスが入った際にポイントを取得する確率が高いことが分かりました。

「エース数の多い選手」とは「強いサービスを打てる選手」と考えられます。

よって、エース数が多かった選手は強い1stサービスでラリーの主導権を握り、3球目以降の攻撃でポイントを取得する確率を高めていたと推察されます。

一方、2ndサービスが入った際のポイント取得率は、エース数によらず概ね一定でした。

 

まとめ

・1試合あたりのダブルフォルト数はキープ率にほとんど影響しませんでした。

・サービス時の総ポイント取得率が高い選手は、1stサービスが入った際のポイント取得率が特に高いことが分かりました。

・1試合あたりのエース数が多い選手は、1stサービスが入った際にポイントを取得する確率が高いことが明らかになりました。

これらの結果から、近年のWTAランキングトップ100の選手では1stサービスでのポイント取得率が重要なため、ある程度のリスクを許容して強い1stサービスを打っていると推察されます。

強いサービスを打ってもエースを取れる確率は低いようですが、ラリーの主導権を握ることができると思われます。

今後大坂選手の試合を見る際には、そのような観点から1stサービスとその後のラリーを見てはいかがでしょうか??

 

おわりに

この研究はランキング100位以内のすべての選手の1試合あたりのスタッツをまとめて分析し、WTAランキングトップ100位以内の選手の全体的なサービスの傾向を明らかにしたものです。

よって、選手ごとやセット/ゲームごとのスタッツを分析すると、この研究とは異なるサービスの傾向が見られる可能性があります。

この研究で用いられている方法で、ご自身や担当する選手のサービスの傾向を明らかにするのはいかがでしょうか??

サービスの戦略を再構築する良いきっかけになるかも知れません。

 

参考資料

WTA トーナメントにおけるトップ100 位選手の2018 年サービスの傾向.村田宗紀.スポーツパフォーマンス研究, 10巻, 354-363ページ, 2018年

http://sports-performance.jp/paper/1844/1844.pdf

#30 目指せ山川穂高選手!!大きな打球を飛ばすスイングとは??

球春到来!!プロ野球の春季キャンプがついにスタートしました。

沖縄県では広島(沖縄市)、ヤクルト(浦添市)、巨人(那覇市)、DeNA(宜野湾市)、中日(北谷町)、阪神(宜野座村)、日本ハム(名護市、国頭村)、ロッテ(石垣市)、楽天(久米島町、金武町)と多くのチームがキャンプを行います。

昨シーズン、セ・パ両リーグ最多となる47本の本塁打を放った中部商出身・山川穂高選手の打撃練習を生で見て、飛距離の大きな打球を飛ばすスイングを学ぶチャンスです!!

と思ったら、

山川選手が所属する西武ライオンズのキャンプ地は… 宮崎県と高知県 (泣)

そこで今回は、山川選手も行っていると思われる飛距離の大きな打球を飛ばすためのスイングについて話題提供します。

 

飛距離の大きな打球を飛ばすためのスイングとは??

打球の飛距離には「打球速度」と「打球角度」が影響します。

「打球速度」が最大になるのは、投球の軌道とスイングの軌道が一致し、バットとボールが正面衝突したときです(下図参照)。

しかし、ボールとバットが正面衝突した場合、打球は無回転となるため、打球には揚力の効果を得ることができません。

揚力の効果を得て打球の飛距離を伸ばすためには、ボールの中心より少し下側をバットでとらえ、打球にバックスピンをかける必要があります。

ボールとバットの衝突をシミュレートした研究によると、直球を打つ場合には19度上向きのスイング軌道で、ボールの中心の6ミリ下側をバットでとらえると飛距離を最大化することができるそうです(下図参照)。

すなわち、アッパー気味の軌道でボール中心のやや下側を狙ったスイングが、飛距離の大きな打球を飛ばすスイングということになります。

 

打率.500、長打率1.500を超える「打球速度」と「打球角度」とは??

2015年のメジャーリーガーのデータを使って打率.500、長打率1.500を超える「打球速度」と「打球角度」の組み合わせを示した「バレルゾーン」という指標があります。

打球の飛距離には「打球速度」と「打球角度」が影響しますので、「バレルゾーン」を通過した打球の飛距離は大きく、大半が長打となります。

 

下の図がバレルゾーンを示したものです。

バレルゾーンを実現するためには、98 mph(158キロ)以上の「打球速度」(Exit Velocity)と26~30度の「打球角度」(Launch Angle Range)が必要です。

また、「打球速度」が大きくなると、バレルゾーンを実現できる「打球角度」が広がります。

 

バレルゾーンを通過する「打球角度」を実現するには、スイング軌道やインパクト位置といった技術的な要素が大きく関係します。

一方、158キロ以上の「打球速度」を実現するには、そのような「打球速度」を実現できるスイング速度が求められ、スイングの発生源である筋量(筋力)が重要となります。

スイング速度と「打球速度」の関係を検討した研究によると、スイング速度が大きくなると「打球速度」は大きくなり、128キロのスイング速度によって158キロの「打球速度」を実現することができます。

また、筋量の指標である除脂肪体重が大きいほどスイング速度が大きいという研究結果があり、65キロの除脂肪体重があれば128キロのスイング速度を実現できると推定されます。

これらのことから、65キロの除脂肪体重がバレルゾーンを通過する打球を打つ条件であると考えられます。

中高生にとって65キロの除脂肪体重という条件はハードルが高く、中高生の野球選手が158キロ以上の「打球速度」を実現するのは難しいでしょう。

したがって、今は打球に角度をつけて打ち上げても、外野フライにしかならないかも知れません。

映画メジャーリーグ式の練習だった場合、腕立て伏せ10回のペナルティーが科せられますね (笑)

しかし、成長やトレーニングによって筋量が増加して「打球速度」が大きくなれば、長打を量産できる打者に成長する可能性があります。

よって、筋量が「打球速度」の条件を満たすときに備えて、バレルゾーンを通過する「打球角度」を実現できる技術(スイング軌道、インパクト位置など)を身につける練習を行うのも良いかも知れません。

 

まとめ

飛距離を大きな打球を飛ばすスイングとは、

① 打球に角度(20~35度)をつける。

➁ 打球にバックスピンをかける。

③ 打球速度を低下させない。

3つの条件を最適なバランスで実現したスイングである。

 

P.S.

山川選手は一部で「おかわり2世」と呼ばれていますが、初代おかわり君・中村剛也選手に匹敵する日本を代表する長距離打者になりましたね。

今後、沖縄から「山川2世」と呼ばれるスケールの大きな長距離打者が現れることを期待しています!!

 

参考資料

・ 森下義隆 (2018) 飛距離を上げるスイング軌道とスイングスピードの獲得.ベースボール・クリニック10月号 20-23ページ

・ 神事努 (2019) 打者の可能性を広げるバレルゾーン.ベースボール・クリニック1月号 20-21ページ

・ ベースボール・ギークス.フライボール革命は本当に日本人には不可能なのか?データで検証

・ Major League Baseball オフィシャルサイト.What is a Barrel?

#25 友達と練習は裏切らない?? バッティング練習を科学する

昨日で「2018年日米野球」が終わり、プロ野球はシーズンオフに入りました。

オフはファンにとって寂しい期間ですが、選手にとっては来シーズンに向けた練習を行う重要な期間です。

11月7日には「新語・流行語大賞」のノミネート語が発表され、「ダサかっこいい/U.S.A.」「(大迫)半端ないって」などと共に「筋肉は裏切らない」がノミネートされました。

「筋肉は裏切らない」は谷本道哉准教授が筋トレ指導を行うときのキメ台詞で、「筋トレを行えば筋肉は裏切らずに強く大きくなってくれる」ということです。

ただ、目的や方法を理解せずに筋トレを行ってしまうと、筋肉に裏切られてしまうかもしれません。

練習についても筋肉と同じことが言えるでしょう。

つまり、目的や方法を理解して行った質の高い練習は裏切らず、その成果が試合で発揮されます。

そこで今回は、少年野球選手のスイングに続いて「科学する野球」(平野祐一著)から「練習スイングを科学する」をご紹介します。

 

素振りの質を高めるために意識するべきこととは??

下の図は素振りを行ったとき(左)と実際の投球を打ったとき(右)に足が地面を押す力を測定したものです。

 右足と左足の力を足し合わせ、その力を右打者の前後(腹側-背側)、左右(投手側-捕手側)、上下の方向に分けて示してあります。

時間は左から右に経過していて、バットのたわみからスイングの開始やインパクトの瞬間を決めています。つまり、点線の間でスイングが行われています。

 

素振りと実際の投球を打ったときの足の力の振れ幅はよく似ています。

しかし、素振りは実際の投球を打ったときに比べて、スイング前やスイング中の力の振れ幅が小さいことが分かります。

このことから、この選手は実際の投球を打つときに似た素振りを行っていますが、より質の高い素振りを行うためには実際の投球を意識する必要があると思われます。

スイング前に足踏みをしてタイミングを取ったり、スイング中にしっかり足を踏み込んだりして素振りを行うのが良いでしょう。

 

素振りを行う目的は「スイングの回数を増やしてスイングスピードを高めること」です。

「インパクトしようとする位置にバットの芯を運ぶこと」を目的に素振りを行うこともあります。

そのような目的で素振りを行う場合には、どのコースへの投球をどの方向に打ち返すかを意識することが大切です。

 

ティーバッティング、フリーバッティングの質を高めるためには??

下の図は打撃の振るわない高校野球チームを対象にスイングスピードを測定した結果です。

横軸に素振りのスイングスピード、縦軸にティーバッティング(■)と実際の投球を打ったとき(〇)のスイングスピードが示してあります。

また、横軸と縦軸のスイングスピードが同じになるときのラインが図内の太線で示してあります。

この太線よりも■や〇が下に集まっていることから、素振りに比べてティーバッティングや実際の投球を打ったときのスイングスピードが低いことが分かります。

さらに、■に比べて〇が下に集まっていることから、ティーバッティングに比べて実際の投球を打ったときのスイングスピードが低いことも分かります。

 

ティーバッティングではボールの位置に合わせてスイングを行わなければならず、実際の投球を打つときにはタイミングも合わせなければなりません。

注意するポイントが増えた、すなわち求められる技術レベルが高くなった結果、スイングスピードが低くなってしまったと考えられます。

ティーバッティングや実際の投球に対するバッティングのスイングスピードを素振りのスイングスピードに近づけるためには、バッティングの技術レベルを高める必要があるでしょう。

そのためには、失敗を恐れず強く振ることを意識して、ティーバッティングやフリーバッティングを繰り返すことが大切だと思われます。

 

映像を活用してバッティング練習の質を高める

足が地面を押す力やスイングスピードを測定できれば良いのですが、そのために必要な測定機器は安価で手に入るものではありません。

しかし、最近ではスマートフォンを活用することで、スイング動作を撮影することは容易に行うことができます。

スマートフォンで撮影したスイング映像を活用することで、バッティング練習の質を高めることができます。

 

具体的には、まずは試合での理想的な自身のスイング映像を入手します。

他の選手のスイングを参考にする場合には、その選手のスイング映像を入手します。

インターネットや衛星放送の発展のおかげで、最近ではメジャーリーガーの映像でさえ容易に入手できるようになりましたね。

その後、練習での素振り、ティーバッティング、フリーバッティングのスイング動作を撮影し、試合でのスイング動作と比較します。

試合と練習のスイング動作の違いを見つけ、試合でのスイングに近づけるよう意識してバッティング練習を行います。

このようにスイング映像を活用することで、バッティング練習の質を高めることができるでしょう。

 

まとめ

試合を意識したスイング、試合に近いスイングを行うことでバッティング練習の質を高めることができ、そのような練習を繰り返すことで「練習は裏切らない」と言える成果が得られるでしょう。

 

P.S.

スポーツおきなわのトレーニングもあなたを裏切りません!!ᕙ(*´ω`*)ᕗ

 

参考資料

BBMスポーツ科学ライブラリー 科学する野球 バッティング&ベースランニング、平野祐一著、ベースボール・マガジン社

#23 少年野球選手のスイング動作とその練習法を科学する

先週末からSMBC日本シリーズ2018(福岡ソフトバンクホークス‐広島東洋カープ)が始まりました。

先週は木曜日にドラフト会議も行われ、未来の日本プロ野球界のスター候補104名が指名されました。

もっと未来のプロ野球界のスター候補である子供たちは、「もっと野球が上手くなりたい!」と毎日の練習を頑張っていると思います。

そこで今回は「科学する野球 バッティング&ベースランニング」(平野祐一著)から、少年野球選手のスイング動作の特徴とその改善方法をご紹介したいと思います。

 

少年野球選手の身長と腰、肩、バットの回転速度の関係

下記の図は、少年野球選手が下手トスで投げられたボールを打った時の腰、肩、バットの回転速度(角速度)の最大値を示したものです。

(横軸を年齢ではなく身長としたのは、成長の早い/遅いを見るためです。)


回転速度の最大値は回転の起こる順番、すなわち腰、肩、バットの順に大きくなりますが、腰の回転速度(□)は身長が高くなってもあまり変わっていません。

一方、肩の回転速度(-)は身長が高い選手ほど大きいことが分かります。

身長が高い少年野球選手ほど腰の回転を肩に上手く伝達できたこと、体幹の筋を上手く使えたことが要因と考えられます。

また、バットの回転速度(◆) すなわちスイング速度も身長が高い選手ほど大きいことが分かります。

身長が高い少年野球選手ほど肩(体幹)の回転をバットに上手く伝達でき、腕の筋を上手く使えたため、このような傾向が見られたのではないでしょうか?

 

次に、バットの回転速度(◆)が平均値(曲線)よりも優れている選手(破線矢印)と劣っている選手(実線矢印)に着目します。

肩とバットの回転速度の差(-と◆の差)に特徴が見られますが、分かるでしょうか?

バットの回転速度が優れている選手は肩とバットの回転速度の差が大きく、

バットの回転速度が劣っている選手は肩とバットの回転速度の差が小さくなっています。

このような特徴は、肩(体幹)の回転を「腕」で上手く使えたか?「腕」の筋を上手く使えたか?によって生じた考えられます。

これらのことから、スイングの遅い少年野球選手は「腕」の使い方に問題があるようです。

 

少年野球選手の球速、スイング速度の一年間の変化

少年野球選手の球速(ボールスピード)やスイング速度(バットスピード)が一年間でどれだけ変化するかを調べたものが下記の図になります。


身長は最初の年の測定で計測し、ボールスピード(〇)とバットスピード(●)は最初の年の測定と1年後の測定で2回測定して変化量を調べています。

その結果、1年間で変化が大きかったのは、ボールスピードについては身長の低い選手、バットスピードについては身長の高い選手であることが分かりました。

身長の低い選手はおそらく筋力も低いと思われますが、筋力の低い選手にはボールよりも重いバットのスピードを高めることが難しかったと思われます。

 

少年野球選手のスイングを改善するトレーニングとは??

上述した2つの結果から、筋力の低い少年野球選手の場合、軽いバットで練習を行うことで腕を上手く使えるようになり、スイングを改善できる可能性があります。

そこで、小学校2~4年生の少年野球選手に通常の練習に加えて、通常使っているバットより60~80%程度軽いバットを使って6週間の素振りをしてもらいました。

その結果、腰の回転速度には影響がなく、腰に対する肩の回転速度は小さくなり、肩に対するバットの回転速度は大きくなりました。

つまり、軽いバットを使った練習でスイングに対する体幹の貢献は小さくなり、腕の貢献は大きくなったということです。

この結果は「手打ちになって、体幹を使ってバットを振れなくなった」と解釈することもできるでしょう。

よって、軽いバットを使った練習には長所と短所があることを理解し、腕を上手く使えていない少年野球選手のスイングを改善する1つの方法として考えるのが良いでしょう。

 

おわりに

今回ご紹介した内容は「科学する野球 バッティング&ベースランニング」(平野祐一著)の一部をまとめたものです。

本書の「はじめに」には少年野球選手の指導について下記のような記述がありました。

子供に限らず、指導者の果たす役割は「『また今度も野球をやりたい』と選手が思うようにすること」と私は思っている。

選手がそう思う中には「上手くできた」「今度は上手くできそうだ」「今度こそ上手くなる」という野球の技術や戦術に対する気持ちが強い。

そう思うようにと技術や戦術を懸命に指導するのだが、時に行き過ぎてしまって選手の気持ちがついていけない、さらには故障してしまうという事態が生じている。

これでは「また今度も」という気持ちにはとてもなれない。

その上で著者は本書の目的を‟選手が「また今度も」という気持ちになるために役立つこと” ‟指導者が指導に役立つ知見を増やすための踏み台になること”としています。

 

指導者の皆さまには子供たちが「また今度も」という気持ちになれる指導を心がけて頂きたいと思います。

私たちは皆さまが「また今度も読みたい」という気持ちになれるブログを書きたいと思っています!!

 

参考資料

BBMスポーツ科学ライブラリー 科学する野球 バッティング&ベースランニング、平野祐一著、ベースボール・マガジン社

#19 オリンピックのメダリストに必要な5つの「精神力」とは!?

 

昨日までセーリングのワールドカップが神奈川県の江の島で開催されました。

この大会は全ての競技通じて初めての東京オリンピックのテスト大会でした。

そのような大事な大会で日本代表選手は、470級男子・園田/ 外薗組が金メダル、470級女子・吉田/ 吉岡組が銀メダルを獲得しました!!

そこで今回は、セーリング日本代表選手の強さの秘密を「精神力」の観点から検討した論文(萩原ら 2014)をご紹介します。

 

セーリングは時々刻々と変化する風、波、潮などの自然の力を利用して戦術や戦略を組み立てて行われる競技です。

また、競技中はコーチの助言を受けることができず、選手があらゆる判断を自身で行わなければなりません。

したがって、セーリング競技者は予測力と判断力を駆使して最適な戦術や戦略を組み立て、自信と決断力を持ってそれらを実行する必要があります。

もし戦術や戦略の実行が失敗に終わった場合でも、動揺せずに集中力を保つよう自身の精神状態をコントロールする必要があります。

つまり、セーリング競技で勝つためには強い「精神力」が求められるのです。

 

今回ご紹介する研究では、セーリング日本代表選手とユース日本代表選手の「精神力」を「心理的競技能力診断検査」によって比較しています。

 

心理的競技能力診断検査(DIPCA. 3)では52個の質問項目に対する5段階の回答(いつもそうである、しばしばそうである、ときどきそうである、ときたまそうである、ほとんどそうではない)を12の項目(忍耐力、闘争心、自己実現意欲、勝利意欲、自己コントロール能力、リラックス能力、集中力、自信、決断力、予想力、判断力、協調性)に分けて診断します。

さらに、「忍耐力、闘争心、自己実現意欲、勝利意欲」を「競技意欲」、「自己コントロール能力、リラックス能力、集中力」を「精神の安定・集中」、「自信と決断力」を「自信」、予想力と判断力」を「作戦能力」と5つの項目にまとめて評価します。

 

下の図は日本代表選手(男女32名)、男子オリンピックメダリスト(1名)、女子オリンピックメダリスト(1名)、ユース日本代表選手(男女46名)の「心理的競技能力」を比較したものです。

ユース日本代表選手は日本代表選手に比べて「競技意欲」や「精神の安定・集中」が低い結果が見られました。

このことから、ユース選手のコーチには競技力向上の指導に加え、選手の「競技意欲」や「精神の安定・集中」を向上させる指導が求められます。

その具体例として、選手に見合った目標を設定する、モチベーションややる気を高めるような声かけをする、競技時の行動をパターン化(ルーティン化)して冷静さやリラックス、集中力を高めるといった指導法が挙げられます。

 

ユース代表選手は日本代表選手に比べて「自信」や「作戦能力」が低いという結果も見られました。

その要因としてユース選手の競技経験の少なさが考えられ、競技経験を積むことで「自信」や「作戦能力」は向上すると思われます。

その際にコーチには競技後に改善点を提起して選手の「作戦能力」を高める指導や「思い切りの良い判断をする」や「良い順位を獲得するイメージを持つ」などの教示で選手の「自信」を高める指導が求められます。

 

また、オリンピックメダリストは日本代表選手に比べて、「心理的競技能力」が全体的に高い傾向にあり、「精神の安定・集中」ではどちらのメダリストも満点を獲得していました。

メダリストは「リラックス能力」と「集中力」によって失敗を減らし、失敗してしまった場合でも「自己コントロール能力」によって失敗の連鎖を断つことができるのではないでしょうか?

つまり、セーリングの一流競技者にとって「精神の安定・集中」は必要不可欠な「心理的競技能力」であると思われます。

 

この研究はセーリングの競技者の「心理的競技能力」(精神力)について検討したものでしたが、すべての競技に通じるところがあるのではないでしょうか?

先日の全米女子オープンテニスの決勝の結果にも「心理的競技能力」が大きく影響していたように思います。

一流競技者を目指すユース世代の選手やそのコーチは、「心理的競技能力」を意識しながら日々のトレーニングを行うのが良いのではないかと思います。

 

PS

渋滞の58号線も、進まなくったて、イライラしないようにします。

 

参考文献

萩原正大、米倉礼子、藤原 昌、千足耕一.セーリング競技における国内一流選手およびユース選手の心理的競技能力.スポーツパフォーマンス研究 6, 51- 61, 2014

#15 「S字型」と「I字型」、クロールで 速く泳げるのはどっち??

 

現在、インドネシアのジャカルタではアジア競技大会が開催されています。

昨日まで行われていた競泳では、日本と中国の金メダル獲得争いが白熱していました。

最終的な金メダル獲得数は… 日本19個、中国19個の引き分け!!

アジアのライバルと競い合った経験を2020年の東京オリンピックにつなげて欲しいですね。

 

今回は未来の競泳日本代表・トビウオジャパンで活躍する皆さんのために、2つのクロールのストローク(水かき動作)をご紹介したいと思います

 

 

アルファベットを描くクロールのストローク

クロールのストロークには下の図のようなS字型I字型があります。

S字型はアルファベットの“S”を描くように曲線的に水をかきます

I字型はアルファベットの“I”を描くように直線的に水をかきます。

 

もともと主流だったクロールのストロークはI字型でした。

しかし、

1972年のミュンヘンオリンピックで7冠を達成したマーク・スピッツ選手がS字型のストロークだった影響で、S字型が主流となっていきました。

しかし、しかし、

2000年のシドニーオリンピックで活躍したイアン・ソープ選手のストロークがI字型であったことから、「速く泳げるのはS字型?? I字型??」再び議論されることとなりました。

 

 

流体力学で分かったS字型とI字型の特徴

専門家高木英樹教授(筑波大学)、中島求教授(東京工業大学)らの研究グループは流体計測解析技術を使って、次のようなS字型とI字型の特徴を明らかにしました。

 

S字型は少ない発揮パワーで効率よく泳ぐことができます。

このことから、泳ぎの効率が重要な400m以上の中長距離種目に向いています。

 

I字型は直線的に水をかくため速いスピードで泳ぐことができます。

このことから、効率よりもスピードが重要な50~100mの短距離種目に向いています。

 

このような特徴は、水をかくときに手の周りに発生する“渦”が原因となっています

すなわち、曲線的に水をかくS字型と直線的に水をかくI字型では異なるタイプの”渦”が手の周りに発生し、それぞれのストロークの推進力に影響を及ぼしているのです。

 

 

S字型とI字型、どっちが良いの??

S字型とI字型のストロークの特徴から、

400m以上の中長距離種目ではS字型を使っている選手が多く

50~100mの短距離種目ではI字型を使っている選手が多いようです。

しかし、

イアン・ソープ選手はI字型のストロークを使って1500mで結果を出しました

同じように1500mで結果を出した孫揚選手も、I字型のストロークを使っていたように見えました。

 

泳ぐスピードはストロークの頻度(ピッチ)に関係しますので、腕を速く回すことで泳ぐスピードを上げることができます。

効率の良いストロークであるS字型でピッチを上げて行くと、早いピッチに肩回りの筋肉が対応できなくなり、曲線的に水をかけなくなってしまいます。

そうなってしまった場合は、効率の良いS字型を諦め、直線的に水をかくI字型に変えてピッチを上げる必要があります。

このことから、

S字型で泳ぎ始め、泳ぐスピードが上がって来たらS字型からI字型へとストロークを少しずつ変え、I字型でラストスパートをするというように、S字型とI字型を使い分けるのも良いかもしれません。

ストロークの使い分けという考え方からすると、「右手はI字型、左手はS字型」とストロークを使い分けるのもおもしろいですね。

 

それで結局のところ、S字型とI字型、どっち良いの??

うん?!?! 悩みますね。

選手の体格や筋力やキックを含めたテクニックによって最適なストロークは異なります。

ですので、「こっちが良い!!」と はっきりと答えるのは難しいです。

 

S字型とI字型、自分にとってどちらが良いか試してみて下さい。

また、S字型やI字型とは違った軌道や手の向きで泳ぎ、S字型やI字型とは違った”渦”を手の周りに発生させてみるのも良いかもしれません。

色々なストロークを試すことで、自分にとって最も良いストロークを見つけて下さい。

みんなちがってみんないい。

 

参考資料

・ 高木英樹、中島求 (2016) S字ストロークか?I字ストロークか?―最適クロール泳法のメカニズムを解明―

・ 中島求 (2016) 最速のクロール泳法.TechTech ~テクテク~ 30: 6-9.

 

 

 

 

 

 

 

#14 甲子園強豪校の強さの秘密はトレーニングと●●●??

 

 

夏の甲子園もいよいよ明日の決勝戦を残すのみとなりました。

大阪桐蔭が勝って2度目の春夏連覇か??

金足農業が勝って優勝旗の白河関越えか??

どちらが勝っても100回の記念大会にふさわしい史上初の記録が生まれます。

 

今回は2度目の春夏連覇を目指す大阪桐蔭の強さの秘密について、

発育・発達の観点から考えてみたいと思います。

 

プロ野球選手に近い大きな体格!!

下の図は大阪桐蔭の選手の身長と体重、BMIを示したものです。

BMIはBody Mass Indexの略で、体重(kg) ÷ [ 身長(m)の二乗 ]で算出します。

BMIは日本語で「体格指数」と呼ばれ、体格の目安として使うことができます。

 

大阪桐蔭の選手のBMIを見てみると、

選手権に出場した選手の平均値よりも大きく、プロ野球選手に近い値であることが分かります。

すなわち

大阪桐蔭の選手はプロ野球選手に近い大きな体格をしているということになります。

 

大きな体格はトレーニングと●●●のおかげ??

大阪桐蔭の選手がプロ野球選手に近い大きな体格をしているのはナゼでしょう??

 

まず考えられるのは、

休養と栄養を含めた日常的なトレーニングで筋肉が発達したためでしょう。

 

選手の年齢を考えると、次に考えられるのは発育の進み具合です。

すなわち、

年度の早い月に生まれた選手は、発育が先行して学年内で体格が大きいのではないでしょうか。

 

選抜高校野球大会に出場した選手の誕生月を調べたものが下記の図になります。

4-6月に生まれた「遅生まれ」の選手の割合が高く、

1-3月に生まれた「早生まれ」の選手の割合が低いことが分かります。

 

では、大阪桐蔭の選手の誕生月はどうなっているのでしょうか??

ベンチ入りメンバー18名中16名の誕生月が調べられましたが、早生まれは1名のみでした。

このことから、

誕生月が早く、学年の中で発育が進んでいることも大きな体格の要因であると思われます。

 

(ということで、タイトルの●●●に当てはまるは「誕生月」となります。)

 

早生まれの選手の才能をどのように育てるか??

早生まれの選手には発育に関するハンデがあり、

強豪校でのベンチ入りを難しくしていることが分かりました。

 

発育に関するハンデは高校に入学する前から始まっていますから、

早生まれの選手は高校入学前に野球を辞めてしまうことも多いようです。

 

その原因は下の図のように考えられています。

プロ野球選手にも早生まれの選手の割合が低い傾向が見られるとのことです。

2017ワールドベースボールクラシック(WBC)の日本代表に関しても同様の傾向が見られました。

しかし、

早生まれの2017WBC日本代表選手には千賀滉大投手や青木宣親選手などがおり、

早生まれだからと言って野球の才能が劣る訳ではないのです。

「発育のハンデが生み出す悪循環」は野球に限ったものではなく、

すべての競技に共通なのではないでしょうか??

 

早生まれの選手が悪循環にはまって競技を辞めてしまい、

せっかくの才能が潰れてしまったり、スポーツ嫌いになってしまったりするのは大変残念です。

 

4月生まれから3月生まれを同学年とする制度を変えることは難しいですから、

早生まれの選手が希望するポジションで思う存分にプレーする機会を与え、

才能をじっくり育成するシステムを指導者が考える必要があります。

 

育成システムの一例として、大阪桐蔭の西谷浩一監督は練習試合を数多く組むことで、

全ての選手にチャンス(野手であれば数十打席)を与えているとのことです。

大阪桐蔭のベンチ入りメンバーは「遅生まれ集団」でしたが、

与えられたチャンスをものにした選手を集めた結果、そうなったことになります。

早生まれの選手にも試合に出場するチャンスが与えられていた訳ですから、

「発育のハンデが生み出す悪循環」にはまることを防げるのではないでしょうか??

 

誕生月によらず、すべての選手が「島人ぬ宝」、「日本の宝」です。

指導者の皆様には早生まれの選手には発育のハンデがあることを考慮して、

各選手に合わせた育成システムを考えて頂きたいと思います。

 

まとめ

甲子園強豪校はプロ野球選手に近い大きな体格をしてました。

その原因として、

トレーニングによる筋肉の発達と誕生月が早いことによる発育の先行が考えられました。

 

PS

私は4月生まれです。

発育の先行を頼りに調子に乗っていた幼少期がありましたが、

発育が終わってどんどん抜かれる悲しい思いをしました…(泣)

 

参考資料

スポーツと子育て(東京農業大学・勝亦陽一助教Twitter)

 

#7 熱中症の応急処置ステップ4を整理しよう!

 

いよいよ夏本番、気温、湿度、活動量が増えることに伴い熱中症のリスクも大幅に上がります。対策を十分にとったとしてもいざ具合が悪くなった場合はどうするの?そんな時に落ち着いて対処できるように情報の整理をしておきましょう。

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